第1話 さそわれたわたしはかぶとむし/愛の戦士たちは夜に集う 世界の真実を収集するdiary 宇野常寛
身の回りにひそむ真実をそっと差し出す日記です。皆、それぞれの宿題を持ち帰りつつ、写真とともにお楽しみください。不定期更新。
宇野 常寛 (ウノ・ツネヒロ)
1978年生まれ。評論家、「PLANETS」編集長。著書に『ゼロ年代の想像力』(ハヤカワ文庫JA)、『リトル・ピープルの時代』(幻冬舎)など。
去る8月3日の夜、仲良しのみなさんとカブトムシを採りに行ってきました!
きっかけはこの本、「カブトムシとクワガタの最新科学」です。この本をFacebookで日経BPの柳瀬博一さんが勧めていたのをたまたま見かけて購入、いっきにがーっと完読して、決意しました。
『カブトムシとクワガタの最新科学』 本郷儀人 著 メディアファクトリー新書
宇野率いる知的探求ユニットImoto&LoveWarriorsのメンバー。ロックな魂をその胸に秘めた宇野の担当編集者、某文化系トークラジオの黒幕氏、近過去に壮絶な二重連鎖NTR離婚を経験済みの某氏、謎のワナビー集団論壇女子部のK嬢、そして都立大宮台ゼミ所属のナンパ師――まさに業界よりすぐりの愛の戦士たちが集結しています。
樹液を貪るカブトムシたち。長き眠りから覚め、餌と異性を求めて深夜の盛り場を渡り歩く彼らに、何か切ないものを感じるのは僕だけでしょうか。
僕(宇野)は小学校低学年のころ(当時は長崎に住んでいた)は昆虫採集が趣味で、カブトムシやクワガタもよく飼っていました。それがある日突然「無益な殺生はよくない」的なことを思ってぱたりと止めて、以降、20年以上ごぶさたでした。
下山して餌をあげているところ。このあと、ナビゲーターを務めてくれた都立大宮台ゼミT君によって、虫たちはリリースされたそうです。
さいきん、特に今年になってから僕はこういう「夜遊びイベント」をよく企画しています。急にアウトドアに目覚めたとか、そういうことじゃなくて単に「お酒」以外の夜遊びって、もっとあってもいいんじゃないかって考えたんですね。
去年、仕事ではじめて香港に行ったときに、向こうでは一度仕事を終えて帰宅した後、夜の9時か10時から集まって友人同士遊びに行くという文化があることにちょっと感動したんです。だから飲食店以外のお店や娯楽施設も、だいたい日付が変わるくらいまでやっているし、街そのものがコンパクトなのでタクシー移動も安い。お酒以外にも、いろんな「遊び」を楽しむ条件が香港の夜にはそろっていたと思います。
その点、東京という街は夜遊びというか、アフター5の遊びは「お酒」が前提になっているようなところがある。そうなると会社員が平日の夜に「遊ぶ」ときのバリエーションはとても少なくなってしまう。僕はお酒を飲まない――以前はつきあいで少しだけ飲んでいたけれど、今はほとんど飲まなくなった――ので、香港に行ったとき「ああ、こういうのもいいな」って単純に思ったわけです。
もちろん、今すぐ東京を香港にするわけにはいかない。と、いうことでじゃあ自力でいろいろな「夜遊び」を開拓しよう!と思い立ったわけです。ほかにどんなことをやっているのか――は、おいおいこの連載で紹介していきたいと思います!
(第1話 了)