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2015.04.24
2013.04.23

「“絶望の国”の幸福論2013」番組収録後インタビュー:安藤美冬

2013年4月28日(日)0:00~1:00〔土曜深夜〕放送予定のニッポンのジレンマ「“絶望の国”の幸福論2013」収録後、出演者のみなさんにインタビューを行いました。

安藤 美冬 (アンドウ・ミフユ)

1980年生まれ。㈱スプリー代表。多種多様な仕事を手がける独自のノマドワーク&ライフスタイル実践者。『自分をつくる学校』学長、NOTTVの『テレビをほめるYESTV』レギュラーMC、『DRESS』の女の内閣 働き方担当相を務め、商品企画、講演など幅広く活動中。TBS系列『情熱大陸』、NHK Eテレ『ニッポンのジレンマ』などメディア出演多数。著書に『冒険に出よう』がある。

――「個人」にとっての幸福か、「社会」にとっての幸福か、という議論がありました。安藤さんは何を考えましたか?

安藤  「“社会”を幸せにしよう」というと対象が大きすぎて、何をしたらいいのかわかりにくいのではないかと個人的には思います。私自身は、自分の身の回りにいくつかのコミュニティをつくり、自分の身近な人たちを手応えを持って幸せにしたいといつも考えています。その中には「個人」と「社会」を二元的に扱う感覚はありません。自分が個人として「幸せを感じるような生き方、働き方」のロールモデルを示すことが、結果的にその実践者を増やし、全体にも貢献できるのではないかと思うからです。

――今回の番組で興味を持った、あるいは印象に残った発言や話題はありましたか?

安藤  「身の丈の幸せ」でしょうか。
 今回、番組のVTRでシェアハウスを実践されている方や農場で暮らす若者が登場していますが、彼らは、「自分たちサイズの幸せ」を分かっている。端から見れば、「お金という物質的な豊かさや、社会的地位には恵まれていない」という生き方に写るかもしれません。でも、彼らは彼らで「身の丈」に合った生活を自分で探り出しているし、少なくとも人のつながりや自分らしいライフスタイルという点では非常に豊かです。
 私自身も、モノには執着していませんし、社会的な常識にあまりとらわれていません。例えば今つけている腕時計の値段は、たったの1万円です。33歳の、まがりなりにも会社を経営しているいい大人が、NHKの討論番組に出演するのに1万円の腕時計をしている。このことに「大人げない」とか「けしからん」と眉をひそめる人もいるでしょうし、「そんなに儲かっていないのか」と勘ぐる人もいると思います。いや、ごもっともな反応なのですが……やっぱり私は高級時計に興味は湧かない。30万円の時計を買うこともできるけれど、時計としての「機能」が大事なのであって、「ブランド」に29万円の付加価値をどうしても感じられないのです。 だって、高級時計やスーツを身につけたからといって、モノが人を一流にしてくれるわけではないと思うのです。
 私はもし手元に30万円があったら、30万円の時計を買わずに、1万円の時計を買って残りの29万円を「人との関係性構築」と「学び」に投資します。つまり、モノへの消費ではなくてお金を生かす。30万円を時計に使い切ってしまったら、そこで30万円はおしまい。でも、人間関係づくりや学びへの投資にお金をまわせば、「もう1つの30万円」「もう2つめの30万円」……と、何度だって30万円をつくりだすことができる。不思議なことに、学校ではお金の稼ぎ方は教えてくれませんから。そうやって、生き抜く知恵と経験を積むことにお金をまわしたいと思っています。

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