「格差を超えて 僕らの新たな働き方」番組収録後インタビュー:猪子寿之
2013年1月1日(火)23:00~25:30放送のニッポンのジレンマ「格差を越えて 僕らの新たな働き方」収録後、出演者のみなさんにインタビューを行いました。
猪子 寿之 (イノコ・トシユキ)
1977年生まれ。ウルトラテクノロジスト集団チームラボ代表。大学卒業と同時にチームラボを創業。チームラボは、プログラマ・エンジニア、数学者、建築家、グラフィックデザイナー、CGアニメーター、編集者など、情報社会の様々なものづくりのスペシャリストから構成されているウルトラテクノロジスト集団。
――「格差を超えて 僕らの新たな働き方」の討論を終えられて、率直な感想をお聞かせください。
猪子 収録が長かったので、おなかがすきすぎました。
おなかがすくと、頭は働かないは機嫌は悪くなるはで、いいことないですね。
一緒に来ていた同僚の、収録を見ていての感想が「1年前の放送より、前に進んだ」とのこと。もしそうだとしたら、とてもうれしいことです。
――番組は2013年元日の放送です。2013年のご自身の抱負を教えてください。
猪子 2013年は「海外で」「大きな」チームラボの展覧会を行う予定です。
日本ではなく海外のほうで大きな展覧会をやる機会を頂けるというのは、二つのことを表しているのかもしれません。
一つは、海外のほうが未来に興味があるということ、つまり、悲しいながら、日本は未来に興味のない社会になっているということです。そしてもう一つは、日本の新しい世代が創りだすものは、世界で競争力を持っているということです。
この現象こそ、もしかしたら、世代間の価値観の格差が生んだことかもしれません。なぜなら、チームラボを呼んでくれる国は、新興産業が強い国であり、そうしたところでは若い人が多く活躍しています。若い人は未来に興味がありますよね。だから若い人が活躍する社会は未来に強く興味を抱くのです。
高齢化社会で、かつ古い産業を大事にする社会では、若い人は活躍できません。そうなると、社会は懐古主義になりがちです。そして、人間が狼に育てられると狼のように行動するようになったという例があるように、懐古主義の社会で育つと、若い層まで保守的で懐古主義的な考えに至ってしまうのです。
日本と海外を行き来して、私はそんなふうに肌で感じます。