「ニッポンの大転換2015」番組収録後インタビュー:北条かや
2015年1月1日(木)23:00~01:30[1月2日(金)深夜]放送予定のニッポンのジレンマ「ニッポンの大転換2015」収録後、北条かやさんにインタビューを行いました。
北条 かや (ホウジョウ・カヤ)
ライター。1986年生まれ。「BLOGOS」はじめ複数のメディアに、社会系・経済系の記事を寄稿する。同志社大学社会学部、京都大学大学院文学研究科修士課程修了。民間企業に勤務後、2014年2月、星海社新書より『キャバ嬢の社会学』を刊行。
――今回の番組で“最も伝えたかったこと”は何でしょうか。
北条 それぞれの生き方が多様化している中で、どのように社会と関わっていけばいいのかと誰もが悩んでいると思います。今回のテーマは「ニッポンの大転換」ですが、転換したい人がいる一方、リスクを取りたくないために転換したくないと思っている人もたくさんいるでしょう。こうした二極化する時代の中で、どのような処方箋が提示できるのか。出演する皆さんの意見を聞き、自分自身も考えていきたいと思って収録に臨みました。
――今回の番組で“興味を持った、あるいは、印象に残った発言や話題”はありましたか。
北条 収録日が衆議院選挙の投票日(12月14日)だということもあり、若者の政治への関わり方の議論が盛り上がっていました。最近では若者の投票率が低く、政治への関心が薄いと言われています。しかし、社会起業やNPO活動などを通して世の中を変えていこうとする若者は増えているという話を聞き、とても納得しました。私の周りでも政治には興味がなくても、女性のキャリアを考えるイベントを開くなどの活動をしている人がいます。たとえば子育てを終えた女性が起業し、子育て支援をするという例もある。政治家への不信が高まっている一方、投票以外の政治参加の形が出てきていると思います。
――女性が生きやすい社会になるためには、どのようなことが必要だと思いますか。
北条 やはり、まずは制度設計を変える必要があると思います。女性が働かないほうが得をする配偶者控除もそうですし、保育所が都市部に足りていないことも問題です。こうしたインフラの整備を大前提として、女性自身も意識を変える必要があると思っています。自分で自分の人生を舵取りしていく意識を持たなければ、なにも変わらないでしょう。
――最後に視聴者へのメッセージをお願いします。
北条 学校から会社へ、または女性なら家庭へという護送船団方式でキャリアや人生が決まっていた時代が「大転換」を迎えつつある今、不確実性の増した各個人の人生において、「リスク」を引き受ける覚悟が必要だと考えています。不確実性の増した社会、個人化した社会をどう生きていくべきか、自分の頭で考える必要があるということ、特にそれは、ライフコースが男性よりもいち早く多様化した女性にこそ、求められるでしょう。ただし、それは昨今流行りの“自己責任論”ではありません。そうではなくて、自分のキャリアや人生に対して、「責任をもって舵取りしていくこと」が大切だと考えています。自分の人生に責任を持ち、主体的にコミットすること。そこから将来への希望も出てくるのではないでしょうか。