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2015.04.24
2014.06.09

「僕らのキャリアデザイン論」番組収録後インタビュー:堀口美奈

2014年6月29日(日)0:00~01:00[6月28日(土)深夜]放送予定のニッポンのジレンマ「僕らのキャリアデザイン論」収録後、堀口美奈さんにインタビューを行いました。

堀口 美奈 (ホリグチ・ミナ)

1990年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、大手総合商社入社。日本人の父とトルコ人の母を持ち、人生の半分を海外(トルコ、パキスタン)で過ごす。語学は「語楽」をモットーに、日本語・トルコ語・英語・スペイン語・中国語の5ヶ国語を話すマルチリンガル。学生時代に「Ray」(主婦の友社)の専属読者モデルを経験し、テキーラマエストロでもある。就活を経験したばかりの社会人2年生であり、キャリアデザインに悩む就活生との交流も多い。 著書に『最初のペンギン ストーリーでわかる!らくらく外国語習得術』(講談社、共著)。

――今回の番組で“最も伝えたかったこと”は何でしょうか。

堀口 就職活動を行う際に、自分の考えだけにとらわれてしまうと視野が狭くなってしまうので、現実から離れるくらい、あえて引いて見てみることがすごく大事だと思います。
 キャリアはデザインしていかなければいけないものですが、偶然の発見で道が開けることだってあります。その都度、目の前のことに取り組んでいただけなのに、結果的にデザインされているようなキャリアを歩んでいたなんてこともあるかもしれない。「結局そんなもんなんだな」と肩の力を抜けば、もっと楽にキャリアを歩めると思います。
 「自分の強みってなんだっけ」と眉間に皺を寄せて分析するのではなく、「自分がワクワクすることってなんなんだろう」と単純に考えてみればいいということを伝えたかったです。

――今回の番組で“興味を持った、あるいは、印象に残った発言や話題”はありましたか。

堀口 松本紹圭さんが「悩んだら古典に帰る」とおっしゃっていたことが印象に残りました。
 前の質問でも言いましたが、キャリアをデザインするといっても「意識高い系」になる必要なんてまったくないと思います。でも、自分なりに人生を「深堀(ふかぼり)」(人生について深く掘り下げて考えること) することは忘れてはいけないと気付かされました。
 その手がかりが、昔から読み継がれている古典だということは、とても納得がいきます。なにからもインスピレーションを受けることができなくなって悩んでいるときに古典を読めば、新たな自分に出会うことができるかもしれない。さらに、就活本ばかり読むのではなく、「『孫子の兵法』がマーケティングに使われていると聞いて買って読みました」と言って面接官の心を掴むなど、ちょっと工夫した就活の戦法にも使えると思いました。

――放送中にも本の話題が何度か出てきました。座右の書はありますか?

堀口 その時々によって変わってきてはいるんですけど、デール・カーネギーの『人を動かす』は13歳の頃 に読みました。今思うと経営者のための本だったんですけど(笑)。人を動かすためには常に自分が真摯でいなければいけないし、言葉で表すだけでは駄目なんですよね。「本当に自分自身が能動的にならなければ人は動いてくれず、動いてくれなければ自分が実現したいことはできないんだな」ということを幼心に思ったのを覚えています。
 最近は脳科学とか認知論がすごく好きなので、ノーベル賞を受賞した利根川進博士の奥様であるサイエンスライター・吉成真由美さんのご著書をよく読んでいます。『カラフル ライフ―遅咲きのすすめ』は読みやすくてお勧めです。あと、吉成さんが現代最高の知性6人にインタビューした『知の逆転』も、とてもスリリングで面白かったです。

――キャリアに迷っている視聴者へのアドバイスをお願いします。

堀口 仕事って上手くできないと面白くないし、自分がしている仕事にプライドを持ちたいし、会社に貢献したいという気持ちは誰にでもあると思うんですよね。でも、仕事ができるから幸せになるのではなくて、自分が幸せだから仕事ができるということもあると思うんです。ニワトリとタマゴのような発想ですが、仕事ができる人は、幸せだから仕事が上手くいっているという可能性がある。
 たとえば、「会計士になると安泰だから資格を取る」という発想ではなく、まずは自分のモチベーションを上げてくれるようなものに取り組んで幸せになってから、仕事やキャリアのことを考えるのが大事なんじゃないかなと、逆説だけど思うんです。 まずは、やらないといけないことではなく、やりたいこと、ときめくことをやっていけばいいと思います。幸せではない人にいい仕事はできません!

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