本当にクリエイティブな生き方をしたいのなら 田中 伶
9月1日 0:00~放送予定のニッポンのジレンマ「僕らの楽しい資本主義」収録後、出演者のみなさんにインタビューを行いました。
田中 伶 (タナカ・レイ)
1988年生まれ。プロバリュー代表。大学在学中にキャリアスクールを設立。経営学を使ったキャリア指導を行いながら、現在はビジネスタレントを育てるプロダクション「マジコウ」を運営。
世の中の、誰のどんな問題を解決したいのか?
―今、上の世代に伝えたいことはありますか。
田中
上の世代の方々には、もっと私たちに歩み寄って欲しい、応援して欲しいと思いますね。私たちは特に変わったことや生意気なことを考えているわけではなく、上の世代の人たちが作ってくださった世界で、もがいているだけなんです。別世界の話だと思わずに、コミュニケーションに時間をかけてお互いの行間を埋める必要があるのかなと思います。縦のつながりが薄れている中で、もっと上の世代が下の人々をちゃんと応援するかたちになってくれればいいのにと思います。あとは、もっと叱って欲しいです。ただ批判するのではなくて、どうしたら私達がもっと良くなるのか?愛を持って叱ってもらえたら嬉しいです。
たとえば私が携わっているキャリア指導の場では、上の世代の方々を呼んで、話をしていただく場合が多いのですが、すごく盛り上がるんです。今までは世代ごとに別の世界みたいに動いていたのが、共通の目標が見つかって、「じゃあ、うちの会社でもやってみよう」みたいな感じで。そういうことが、一番大事だと思います。ソーシャルとか色々騒がれていますが、やっぱり人なんです。雑誌とかウェブ媒体では伝えきれない、お互いを知るリアルな場は、どんな時代も必要だと思っています。
―同世代の視聴者へのメッセージを。
田中
今回番組に出演した私たちは、若者の代表でもなんでもなくて、若者のほんの一部です。企業の中で自分のやりたいことをやって輝いている人もたくさんいるし、個人で活動をしようと立ち上がる人もいる。ただ、どちらであっても自分が世の中の、誰のどんな問題を解決したいのか、という問題意識は持っていなければならないと思います。それをどんな手段で解決するか?必死に考えて方法を見つけることが、自分らしい道を切り拓くということだと思うんです。
だけど残念ながら(笑)そういう問題意識を持っていなくても、世の中って生きていけるんですよね。なんとなく食べていくこともできますし。だけど、本当にクリエイティブな生き方をしていきたいなら、こんな人の抱えているこんな問題を解決したい!という意識を持つことが必要。それがやりたいことを貫く力にもなるし、やりたくないことをやるモチベーションにもなるんです。やりたくないことはたくさんあるし、我慢しなくちゃいけないこともたくさんあっても、それが自分のやりたいことにつながっていると思えば、夢を叶えるのに一番大切な「継続」ができると思います。
自分の場合は、こういう感じになれたらいいな、という憧れ、ロールモデルを見つけることから始まりました。こういう30歳になるためには、今のままの自分ではやばい! ということに気づいたのです。自分で自分にメンターをつけるような気分ですね。理想と現実のギャップに気づいたことが、興味を行動に変えていくきっかけになったのかなとは思います。まだまだ道の途上ですが、これからは私たちが、下の世代のロールモデルになれたら嬉しいですね。
―今、欲しいものはありますか?
田中 もっとたくさんの仲間が欲しいです。もともとたった一人で始めて、たった一人で運営していた事業だったので、仲間に対する執着はすごくあります。(笑) 「仲間」といっても、パートナーとか、同じプロジェクトに関わるっていう形だけじゃなく、自分の夢に共感してくれる人や、応援してくれる人、同世代も違う世代の人も含めて。それから個人的には学生インターンを受け入れたりしてみたいです。受け入れ側の体制が出来ていないので、まだまだですが。今は、欲深くいろいろ考えているだけなんで(笑)。仲間はずっと欲しいですね。これからも、ずっとそうだと思います。