社会参加は、楽しい。 イケダハヤト
9月1日 0:00~放送予定のニッポンのジレンマ「僕らの楽しい資本主義」収録後、出演者のみなさんにインタビューを行いました。
イケダ ハヤト (イケダ・ハヤト)
1986年生まれ。ブロガー、ihayato.news編集長。「テントセン」co-founder。NPO向けにソーシャルメディアの活用相談に応じている。
一人ひとりが直接社会と関わることが、これからの資本主義
―「僕らの楽しい資本主義」について、今回これは言い切ったなあということは?
イケダ 「納税」と「選挙」以外の社会参加が、今、求められてきています。その背景はとてもシンプルで、社会に様々な課題が出てくる中で、フリーランスになった自分自身を含め、みんなが社会参加しないと生きていけない時代だからだと思います。社会参加をするということは、自分の身近な人を助けたり、僕の場合であればマーケティング支援を通じて課題を解決したりすることですが、基本的には楽しいことなのです。これまでの「納税」と「選挙」という間接的な社会参加もすごく意義のあることだと思いますが、それらが「これまでの資本主義」を支えるものだったとすれば、一人ひとりが直接社会に参加するということが、これからの「新しくて楽しい資本主義」のかたちではないかというメッセージは発したつもりですし、これからも発し続けたいと思います。社会参加するということは人間の根源的な欲求だと思いますから。
―同世代の視聴者へのメッセージを。
イケダ
これまでは、「納税」という行為を含めて、ほとんどのことは「会社」というフィルターを通しての間接的な社会参加で済んでいたのだと思います。しかし、それでは通用しない時代になったということを感じてもらいと思います。
僕の答えはシンプルです。ここにいる人たちは、何かを変えたいという問題意識はあるわけですよね。そして、変えたいことが明確な人たちが集まっていたと思います。
学生とよく会うんですが、彼らは何を変えたいのか、自分でよくわかっていないんですよね。でも、それってよくよく考えれば、出てくるものじゃないかなと思うんです。ぜひ、自分の問題意識、自分は何を変えたいのかということを、考えていただきないなと思っています。同世代問わず、上の世代の人にも伝えたいことですね。
―上の世代の視聴者へのメッセージを。
イケダ
僕らの世代がやっているNPOや地域が元気を出すための活動に、ちょっとでも参加していただけると、すごく良いなと思いますね。
僕の手伝っているNPOで、60代のボランティアの方がいらっしゃるんです。その方が、バリバリの日本企業の叩き上げで、書類作るのも早くて的確で、すごく仕事ができるんです。コミュニケーションの作り方も適切ですし。その方がいらっしゃるだけで、ぼくら若い世代の働き方のレバレッジも変わってくるんですよね。退職した方でなくても、土日中心でもいいので、活動に加わってくれたら良いですね。いっしょに活動すれば、僕ら世代とのギャップもなくなりますし、僕らも上の世代の方々のスキルを欲しています。企業で身につけてきた技術を、市民活動にもう一度提供していただければ、それこそ楽しい資本主主義だと思うんです。ぜひ、参加していただきたいなと思いますね。
―今、欲しいものはありますか?
イケダ
最新のMacBookです。それこそ番組のテーマでもある資本主義の観点から見ても、Appleは良いブランドだと思います。かっこいい世界観にも憧れますし、品質も良い。他のものを買うなら、やはりApple製品を買ってしまいます。そういう意味では、Appleは資本主義にとって、象徴的な存在なんじゃないですかね。
あと、欲しいものといえば、仲間を育てたいですね。NPOのほうは人手がまったく足りていないので、インターンの学生にちょっと給料出して、僕と同じくらいの水準まで育てて、独立していってもらうというスタンスをどんどんとりたいですね。ブロガーの仕事は個人でもできるけれど、社会貢献の仕事は僕ひとりの手でやっても仕方がないですから。