サイトの更新中断のお知らせ

次世代の論客を応援するサイト「ジレンマ+」は、 この度、NHK出版Webサイトのリニューアルに伴い、 ひとまず、情報の更新を中断することになりました。 長いあいだご愛顧いただき、ありがとうございました。

2015.04.24
2015.03.23

「競争から共創へ@大阪」番組収録後インタビュー:日下慶太

2015年3月29日(日)0:00~[28日(土)深夜]放送予定の「競争から共創へ@大阪」収録後、日下慶太さんにインタビューを行いました。

日下 慶太 (クサカ・ケイタ)

1976年生まれ。コピーライター。株式会社電通関西支社CRプランニング局所属。ロシアやアフガニスタンなど、世界を放浪しながら電通に入社。コピーライターとして勤務する傍ら、写真家、執筆家、大阪・セルフ祭の顧問として活動をしている。ポスターで街を活性化する「商店街ポスター展」を仕掛け、佐治敬三賞、広告電通賞、「広告業界の若手が選ぶコミュニケーション大賞」優秀賞など、その他、TCC最高新人賞、朝日広告賞、ゆきのまち幻想文学賞などを受賞。都築響一氏編集「ROADSIDERS' weekly」で写真家として連載中。

――今回の番組で“最も伝えたかったこと”は何でしょうか。

日下 なんでも「自分でやる」ということ。東京と比較するとお先真っ暗に思えたり、地方は消滅するなどいろんな情報があるが、惑わされずに自分でやってほしい。セルフ祭のキャッチフレーズは「己を祭れ」。そう自分たちが神様なのだ。自分に、そして、自分の町に誇りを持って、行政や国に頼らず、自分たちでやってほしい。

――今回の番組で“興味を持った、あるいは、印象に残った発言や話題”はありましたか。

日下 くーらちゃんの「大阪人は幸せのハードルが低い」という発言。お金はなくても、大阪人はなんか楽しく暮らしている。実家住まいも多い。仕事もまあある。ぬるいようだけれども、これぐらいぬるいのが幸せの源なのかも。そこそこの幸せで満足するか、限りない幸せを求めて、東京へ、そして世界へ出かけるか。今回の放送はここを提示していたように思えます。他の地方都市の幸せのハードルの高さも気になりますね。
 もう1つは阿部さんの「大阪は東京などを意識せず、関西の地方にアイデアや人材を提供すべき」という発言。なるほどと。ぼくもつい東京などを意識するが故に大事なところを忘れていました。大阪はまずは近畿の問題を解決するためにアイデアと人材を出せばいい。仙台、名古屋、福岡など、日本各地の中核都市がそれぞれの地域をよくしていく1つの発火点になればより日本はよくなる。

――地方活性化のためには、何が必要だと思いますか。

日下 「自分たちに誇りを持ち、自分たちが今できることを、自分たちの町でやる、何より自分たちが楽しむために」ということ。自分の地域が盛り上がっていったら、勝手に世界に発信される。人は来る。まずは自分たちが盛り上がればいい。住民が元気で楽しそうな町、それこそがどんな観光資源よりも人を引きつけるものだ。
 もう1つ、「アホになれ」ということ。アホになることが世界をよりよくしていく。アホになれというとつい関西人にしかできないことのように思うかもしれないがそうではない。禅の教えにには「大愚のすすめ」ということばがある。大いに愚かであれと。英語に直すと「Stay foolish,stay hungry」そうスティーブ・ジョブズのことばである。デレク・シルバーズの[How to start a movement]を見てほしい。http://digitalcast.jp/v/12412/ そう、アホになるのだ。アホになれなかったらアホのフォロワーになるのだ。そうすれは、地域は変わる。自分がアホになり、さらに新世界というアホな場所でアホに囲まれていると、それが大事だと日々痛感している。

――最後に視聴者へのメッセージをお願いします。

日下 深夜のたまにしかない『ニッポンのジレンマ』を見るあなたは、きっと地域、社会、ひいては日本に問題意識を持っているはずだ。もし、みなさんが地域を、ニッポンをよくしようとするのなら、まずは行動を起こしてほしい。Twitterで議論しても何も起こらない。Facebookで自分に似た意見をシェアをしても15分もすれば忘れ去られる、まずは行動をしよう。行動しか世の中は変わり得ない。行動があればそれをツイートやシェアすれば伝わっていく。情報の主体は誰かではなく自分だ。そんな人がたくさん増えれば日本は地域はもっとよくなっていく。
 ぼくの言いたかったことはみんなに伝わったのだろうか、おそらく半分ぐらいしか伝えることができなかったんじゃないかというジレンマをぼくは今抱えている。なので、もしぼくの話をもっと訊いてみたいという人間がいればこれを見てほしい。ぼくの半生がここに書いてある。http://lifestory-gallery.com/archives/987